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update. 2022/1/1
勾配のある切妻屋根、今では見ることのないほど太い柱に梁。
そんな古民家をリノベーションして自ら住んだり、さらにはお店をしたりということが流行っているようです。
古民家を探す際に多くの方が利用されるのが、空き家を誰かに使ってもらいたい人と空き家を使いたい人とをつなぐ空き家バンク制度。
福知山市でもこの制度を運用しております。
今回は、空き家バンク制度の担当職員が、日々の業務から感じたことをありのままに書いていこうと思います。
「買おうかな」「借りようかな」と思っておられる方の御参考になれば幸いです。
空き家バンクで公開されている物件は、500万円以下の物件が多く、場合によっては100万円を下回ることすらあります。
最近では色々なテレビ番組でも、安い物件についてコーナーが組まれることもあります。
ちなみに、福知山市もそんな番組に出たことがあるんですよ。しかも2回も。
※1回目の出演時の様子はこちら
500万円も出せば庭付きの夢のマイホーム!
こう書くと「安いんじゃない!?」と思う人はいるかもしれません。
ところがどっこい、そううまい話はそうそう転がっていないわけで・・・
家は空き家になると、どんどん傷みが進みます。
また、傷みに気が付かなくなるため、誰も知らないうちに雨漏りやシロアリなんてことも・・・。
そこに、買ってすぐに住むことはできないですよね。
なので、住む前にはリフォーム・リノベーションが必要になるのですが、ここに費用がかかります。
例えば、キッチンに50万円、お風呂に100万円、トイレに50万円だとすると水回りだけで200万円。
お部屋の床や畳を一式交換するとさらに数十万円。
もし、屋根や基礎など構造的な部分にも傷みがあれば数百万円かかることも・・・。
こうなると、最初に払った売買代金とトータルで1,000万円にも届いてしまいます。
加えて、現代風の内装へのリノベーションなどをするとさらに費用がかかりますので、新築に近い金額になってしまうかもしれません。
さらに、土砂災害の恐れがある区域の場合だと、壁などを作らなければならないこともあります。
改修費とトータルで考えると、空き家は意外と安くないのです。
古民家は今ではお目にかかれない建て方をしていることが多いです。
勾配のきつい切妻屋根に、指を目いっぱい広げた手よりも太い柱や梁。
100年経っても立ち続けるこの構造に惹かれて古民家を購入する人は多いです。
古民家を買う上で費用を抑えることを考えるのであれば、売買金額をいくら下げられても改修費が重くのしかかってきます。
改修費をいかに抑えることができるか、そこが課題です。
そのための方策として
売買金額が少々高めだとしても、トータルで見れば安くなるかもしれません。
物件を見るポイントとしては、屋根や基礎については高額となることが多いので、根本的な構造面を重点的にチェックした方が良いと思います。
また、購入する前に一度専門の方に見てもらうと確実です。
率直に言えば今はやりのDIYです。
業者さんに頼むと人件費がかかってきますので、改修費が高額となりますが、自分でできることは自分でやれば人件費はゼロ!
自分の家を自分の手で自分の好きなように変える。
言うなれば1/1実物大サイズのプラモデルを組み立てるようなもので、古民家に住む醍醐味の1つと言えるのではないでしょうか。
具体例は次回に公開します。お楽しみに!
古民家・空き家に住むには、費用・労力の双方にそれなりの覚悟が必要です。
「住むところがなくて、安くて今すぐにでも住めるところを探している」
という人には古民家は正直おすすめできません。
安いところは今すぐに住むことはできませんし、今すぐに住めるところは安くありません。
望み通りのものはなかなかないものです。
ですが、古民家が良い!住みたい!という人も多くいます。
ある人は「この太い柱と梁に憧れて、古民家が良かった」
ある人は「自分の好きなように自分の家を改造するのが長年の夢だった」
ある人は「かまどなど今じゃ味わえない生活をしてみたかった」
などなど、ただ単に「住む」というところ以外に魅力を感じている方ほど、古民家を希望されています。
一生をかけてでも、古民家を楽しむことができる人、そういう人にこそ古民家はおすすめです。
ここまで、長々と書いてまいりましたが、もちろんこれがすべてではありませんし、正しいわけでもありません。
安くて程度の良い家というのも時折出てきますし、改修費が意外に安く済むことだってあります。
情報をしっかりと集めて、それぞれに合った家に出会われることを願っております。
ここまで読んでくださった人の参考に少しでもなったのであれば幸いです。
福知山市の空き家バンクはこちらをクリック