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道づくりは人づくり ~自伐型林業を通じて将来の移住者のために夜久野に新しい仕事をつくる~

update. 2023/2/27

【プロフィール】

今西 崇さん(Imanishi Takashi)(46歳)/福知山市夜久野町在住/京都市出身 Iターン

今西崇さん(タカシさん)は、20178月に夜久野町に住む伯父を頼って移住。夜久野で地域の人たちと交流する中で、林業の魅力にとりつかれ、現在は、「自伐型林業」を通じて夜久野の地域活性化に取り組んでいる。「(林業の)道づくりは人づくり」を信念に夜久野で奮闘するタカシさんの移住物語を取材した。

 

自伐型林業との出会い

移住定住サポートセンターでは、しばしば林業移住を希望する人からの問合せを受けることがある。そんな時、真っ先に紹介するのが、今回の主人公のタカシさんだ。

タカシさんは、20178月に夜久野町に住む伯父の家に住み始めた。その後、夜久野みらいまちづくり協議会(リンク)主催の移住者交流会に参加したことがきっかけで、同協議会の活動に参加するようになった。そして、現在、夜久野町が直面している課題(人口減少、若者の流出、耕作放棄地など)に触れるなかで、自分も何か役に立ちたいと考え始めた。

そこでタカシさんの心をつかんだのが夜久野の森林だった。林業について調べていくうちに「自伐型林業」のことを知り、奈良県の下北山村や地球のしごと大學で自伐型林業の体験研修に参加するなどすぐに行動を起こした。

自伐型林業とは、採算性と環境保全を高い次元で両立する持続的森林経営である。森林の経営や管理、施業を所有者や地域が自ら行うものであり、地域に根差した林業のスタイルだ。(詳しくは、NPO自伐型林業推進協議会HP(リンク)を参照)

体験研修が終わって、タカシさんは、2020年春に地元の森林組合に就職をする。森林組合では、山仕事の心構えを教えてくれた大切な師匠に出会った。ところが、夜久野の森林を何とかしたいと思う反面、仕事の現場は夜久野以外の場所が多かった。

2021年5月、タカシさんは大きな決断をする。自伐型林業において必須の道づくり(林業の作業道づくり)の技術を学ぶため、森林組合を離れ、福井市での長期研修に参加することにしたのだ。

その後は、夜久野に戻って個人で山を借り、地域の方の協力を得て資金を確保し、研修で出会った道づくりの師匠と一緒に山を歩き、助言を受けながら道づくりに取り組み始めた。

2022年度 福知山市自伐型林業研修 道づくりの様子

 

「道づくり」は「人づくり」

タカシさんの話を聞くなかで、最も印象的だったのは、「道づくりは人づくり」という言葉だった。自伐型林業において、一番重要なことは、山のどこに道をつくるか、だという。山を壊さない道づくりができる人が地域に増えれば、その道を使って長く自分たちで適切に山を管理できる。山の管理を通じて地域の人との信頼関係ができ、防災や生態系の維持など環境保全にもつながる。それが、タカシさんが考える林業を通じての夜久野への地域貢献のかたちだ。

そして、タカシさんは「林業をもっと身近にしたい」と考えている。道づくりは、自伐型林業の核であると同時に自伐型林業への入口でもあるそうだ。木を切るだけが林業ではないという。はじめは林業の知識や技術が足りなくても、わかっている人やできる人の助けを借りながらであればやっていける。「最初はできないことはできる人に任せて、一緒に活動をするなかで、経験やスキルをわけてもらえばいい」と語ってくれた。

▲移住者インタビューの様子(宮カフェにて)

 

夜久野で起きている小さな変化

タカシさんの活動と歩調を合わせるように、福知山市でも2022年度に自伐型林業研修を実施するなどの取組が始まった。これらをきっかけに、夜久野に自伐型林業に興味のある人が市外からも集まり始めている。こうした動きの中、タカシさんも自分と思いを同じくする仲間を増やしたいと活動を続けているが、夜久野で自伐型林業を根付かせるにはまだまだ課題は多いとも感じている。

タカシさんの今後の目標は、自身の技術を磨くことと、地域や行政、移住者などと一緒に自伐型林業が地域の仕事として収益を上げられるように仕組づくりを行っていくことだ。自分の活動を通じて、30年後に夜久野に移住してくれる人のための仕事をつくりたいと考えている。

タカシさんによると、森林は、林業以外にも、森林セラピーなどのツアーやスポーツアクティビティなど、余暇活動や、つながりづくりの場として活用できる可能性があるという。近い将来、地域の人も、移住者も、それぞれの興味に応じて夜久野の森林に触れる機会が増え、夜久野で森林を使って面白い活動ができたら、夜久野はこれからワクワクする地域になると感じた。

 

 

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