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FUKUFUKU LIFE INTERVIEW!

国産漆の産地、夜久野町で26年ぶりの漆掻き職人NEW

山内耕祐さん 33歳 京都府城陽市出身 26年ぶりの漆掻き職人 NPO法人丹波漆理事

2013年に京都府福知山市夜久野町に移住。妻と長女の3人暮らし。夜久野町は今では数少ない国産の漆の産地。漆搔き※技術の継承、漆の植栽と育成管理に力を注いでいる。

※「丹波漆搔き」は京都府無形民俗文化財に指定されています。

丁寧に漆を掻いていく山内さん

 

生まれた街は住宅街であるが、幼い頃から父に自然のあるところに遊びにつれていってもらっていたという山内さん。自然と美術に対する興味が、結果的に漆掻きに結びついたと感じている。

漆工芸は高校生のころから学び始めた。漆芸の何に魅かれるか当時は漠然としていたが、将来も漆に関わり続けたいという思いは強まっていった。

”木から採った樹液を使って強くて美しいものを作る”ことが漆芸の格好いいところだと思っていた。しかし、作品作りに没頭していくうちに、それだけに集中することに疑問を持ち始めていった。「漆」を深く知る必要を感じ始めていたのだ。

最後の一滴まで大切に掻き取った木は切り倒されて役目を終える

 

”漆を掻きたいだけなら他にもあった”

大学を休学し、京都に戻っていた際に夜久野の漆のことを知り現在の漆掻き職人の師匠であるNPO法人丹波漆の代表に出会った。

実際に現地で見て体験し、その取組みや漆掻きに魅力を感じていく。漆は、樹齢10から15年の成木から牛乳瓶1本分ほどしか採取できないほど貴重であるが、夜久野には漆の木そのものが少ない。植林から始める必要があるのだが、NPO法人丹波漆がその壮大な計画に取り組もうとしているということに刺激を受け、自分もそのひとりとなりたいと思った。これが自身の進むべき道だと意思を固めることとなった。

 

時間・自然・人をつなぐ役割

漆の植生のため、いろんなところを走り回って地元の人に話を聞き、見て確かめ地道に調査するなかで、「漆」は地域住民の日常生活にあり、農業であって林業でもあり、”自然と人の中に共存している”ということを知っていく。現代の自分が都合のいいところばかりに漆を植えても上手くいかないわけだ。人とのつながりの中で、漆掻きだけをやっていればいいわけではないということに気づかされた。自然の恵みをいただくためには、自然と人の共存の歴史を知ることが大切なのだ。

 

自分も自然界の一自然物だという実感

現在は、夜久野だからこそできる物作りを探し、地域の行事にも積極的に参加するなど、人とのつながりを大切にしている。

「福知山市夜久野町での暮らしは日々楽しい」と山内さん。自分で食べる米を作ったり、狩猟もできるようになり、自分の生活が他の生き物の犠牲のうえに成り立っていることをリアルに感じる。移住するまでは考えてもいなかったことだ。

漆の魅力も同じで、自然の中からいただく恵みであり、その美しさと長い年月をかけて、人と他の生物との関係性を通して生み出されることに魅かれている。漆を掻くことでそれをより強く体感するのだ。

しかし、安価な塗装や素材開発が進み、プラスチック製品にとって代わられ衰退し、私たちの身近ではなくなっている漆。「漆がなくなっていくのはある意味自然なこと」と冷静に現実を受け入れている。「大切なのは、多くの人に伝え仲間を増やし、この夜久野の漆を守り受け継いでいくこと」と語ってくれた。最近では、漆に携わりたいと少しずつ集まっている移住者や地域の人との出会いにも刺激を受け、今の自分の考え方、信念を深める機会にもなっているという。

 

夜久野丹波漆の将来を担う若い漆掻き職人に期待するとともに、自然からの恵みである貴重な漆を大切に受け継いでいる職人さんを思い、大切に漆芸品を使っていきたい。また、伝統産業を守り受け継いでいくことの大切さを私たちも発信し、応援し続けたいと思う。

 

特定非営利活動法人丹波漆

NPO法人 丹波漆 (tanbaurushi.org)

 

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NPO 丹波漆 (facebook.com)

 

漆の魅力は漆塗り体験から

やくの木と漆の館 漆塗り体験(要予約

やくの木と漆の館 漆塗り体験メニュー  (予約制) – 福知山市オフィシャルホームページ (fukuchiyama.lg.jp)

 

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